農地法第4条申請と第5条申請(どちらも農地「転用」の申請です)の申請書の作成について、わたしの手順を書いておきます。もっと簡便な方法がありましたらこっそりお教えください。
より当事者が多い第5条申請を例に書いていきます。この記事はどちらかというと行政書士さん向けの記事となります。本人申請をお考えの方にも参考になるところはあると思います。
農地「転用」の手順として、まず最初に気をつけておかないといけないのは、農地区分です。注意喚起として一番最初にもってきました。これからあとは、基本的には時系列順に書いていこうと思います。
依頼は誰からうけるのか?人の確認。意思の確認。
まず、第5条申請の多くは、買主側からのご相談により始まることが多いです。買主側の建築業者さんからのご相談をうけるのが一番多いパターンです。
このとき、おあずかりできる関連資料等をひとそろえいただいて、足りないものをこれこれをください、とお願いする形になります。
ざっくりと必要書類はあたまのなかに入れておきます。配置図、排水計画図、資金計画書の一部としての見積書は、買主側の建築業者さんにお願いすることが多いです。
買主(転用事業を行う個人・法人の代表者)に電話する、会う
最終的な登記の際には、いただく書類は個人ならば住民票と委任状と本人確認書類(法人はさらに住民票が不要です)と少ないのですが、農地法の第5条申請の段階では買主からいただく書類が多いです。これは、転用事業をちゃんとやるか?ということをチェックしなければならないためです。
とくに時間がかかるものとして、資金証明書(銀行通帳の残高証明)があります。その他、委任状などをどのような段取りでいただくかを電話で打ち合わせいたします。
売主に電話する、会う
買主側の建築業者さんからのご相談をうける際に、どの程度、売主さんとのお話が煮詰まっているのかは確認します。この段階では、まだ代金のやりとりは済んでいないことが多いかと思います。
さすがに最近はあまりないのですが、売主に会わせようとしないパターンのご依頼は、受託拒否します。これは問題外です。
現在の登記名義人と会えるかということがポイントなので、会う前に登記簿は確認することになります。
物を確認する。事前の不動産の現地確認。
事前のと書きましたのは、農地法の許可申請を提出したあと、地元の農業委員さんによる現地確認が行われるためです。そこで事情説明をしてくださいとお願いされますので、事前に現地確認は必要になります。
ここで説明をもとめられるのは排水の計画です。
また、買主側の建築業者さんからいただく排水計画図が現地と整合しているかを確認するためにも現地確認は必要となります。
農業委員会の窓口で、特殊な添付書類を確認する
まず確認すべきは、隣接農地の同意書が必要か?ということです。
隣接農地の同意書はもともと法定の添付書類ではありません。ただ、市町村によっては、当然にもとめられることもあります。時間があるときは戦いますが、申請までに時間がない場合は、戦わないほうがいいという判断のもと、準備するようにしています。
そのほか、特殊な添付書類をもとめられることはあります。たとえば、発掘調査に支障がない旨の証明書などです。
はじめて申請をする市町村では、ホームページ等で添付書類を確認のうえ、電話にて「なにか特殊な添付書類はありますか?」とお尋ねください。
農地法第4条、第5条申請書の必要書類の集め方まとめ
ヒト、モノ、イシの確認は、とても大事です。人、物、意思の確認です。
農地法第5条許可申請のご相談であり、農地の移転原因が売買であるならば、いつ決済(売買代金の支払い)が行われるのかを確認し、引き継ぎをスムーズにできるようにします。
各市区町村の農業委員会への打ち合わせは早い段階で行い、農地法第4条、5条の申請書も締切ギリギリではなく早めに出すようにしましょう。