農地を相続したら何をすべきか?

農地を相続したら何をすべきか?と問いかけています。

農地法

(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)

第三条  農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。
以下、省略

(農地又は採草放牧地についての権利取得の届出)

第三条の三  農地又は採草放牧地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得した者は、同項の許可を受けてこれらの権利を取得した場合、同項各号(第十二号及び第十六号を除く。)のいずれかに該当する場合その他農林水産省令で定める場合を除き、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。

農地を相続したら、市町村の農業委員会に届出をしなければなりません

結論

農地を相続したら、市町村の農業委員会に届出をしなければなりません。

条文の確認の前に

農地の所有者が亡くなると相続が発生し、農地の所有権が移転します。

農地の所有者が亡くなる前に、農地の所有者が自分の土地を「転用したら」、農地法第4条の話です。

農地の所有者が亡くなる前に、買主(借主)と自分の土地を名義変更(使用収益権の設定)プラス「転用させる」ことを契約したら、農地法第5条の話です。

農地の所有者が亡くなると相続が発生し、農地の所有権が移転し、農地法第3条の話となります

結論としては、許可は不要であるが、届出は必要、となっています。

農地法の許可申請の種類3つの図示

 

農地法第3条の構成

農地法第3条に「農地の所有権が移転する場合は、農業委員会の許可を得なさい」とあります。

そして第3条の3で、「農地法第3条の許可がいらない場合には、農業委員会に届出をしなさい!」とあります。

結論としては、相続では、「許可」は不要で、「届出」は必要、ということなのですが、

相続が、農地法第3条の許可がいらないパターンのものなんですよ!とは、条文には書いてありません!

これは、もともと相続による移転が、行政による同意(←ここは、一般的な言葉にしています)になじまない、という説明がなされるところです。

農地の移転そのものは、もともと禁止されている行為ではないです。

農地法の目的のもと移転が制限されている、という形です。

相続のときには、許可まではもとめなくていいだろう、という価値判断のもと、運用がなされてきた、ということで良いかと思います。

逆に相続で農地がいらない!という相続人の方はどうする?

農地法の許可申請の種類3つの図示

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相続放棄?

この相続放棄という手続きは、全ての相続財産を放棄するということを裁判所に申し立てるという手続きです。全ての財産について放棄する、というところがポイントです。また、期間制限にもご注意下さい。

遺産分割協議でほかのきょうだいにもらってもらう?

この状況が、一番オーソドックスな形かと思われます。なお、固定資産税等、その後の管理を含めての遺産分割協議をなさることをオススメします。

取得後、処分する?

この場合も、「転用」による移転を除き、買主(利用権者)が農業者であることという制限がかかってきます。

現地のご近所の農家にお声掛けなさるか、地元の農業委員会にご相談なさることをオススメします。

ただ現在は、地方公共団体の「寄付」の受け入れは、難しいと思われます。

不動産の名義変更では複数の手続きが必要になることが多くあります。まずは、お近くの司法書士事務所にて、どのような流れになるのか、ご相談をお受けになると良いかと思います。

司法書士事務所をご存じない場合は、お近くの司法書士会へご相談ください。また、ご実家の不動産の処分をお考えならば、その土地の司法書士にご相談なさることも良いかもしれません。
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