農地を農地のまま借りる(賃貸借契約する)場合の期間の上限は
借りる=賃貸借ではないので、このようなタイトルになっております。
賃貸借は、対価となる賃料が発生するという意味で、同じ債権契約としての使用貸借と区別されます。
使用貸借は、お金を介しない、貸し借りというイメージでよろしいかと思います。
今回は、農地の賃貸借の場合について、その期間の上限をみてみます。
民法改正の関係で、賃貸借の契約日が2020年4月1日の前か後かで、適用される条文が異なります。
まずは、2020年4月1日より前の賃貸借契約について。
民法と農地法の関係は、一般法と特別法という関係にあり、特別法が優先するという関係にあります。
よって民法における賃貸借期間の上限は、20年ですが、特別に農地の賃貸借の場合は、上限が50年に伸びます。
これは、農地法の目的から考えても妥当かと思われます。
国民に対する食料の安定供給の確保、という観点からは、農地の賃貸借が上限20年というのは短い!という判断だったのでしょうね。
なお、2020年4月1日以降に契約される賃貸借は、農地の賃貸借契約もその他の土地の賃貸借契約も、その期間の上限が50年に延長されました。
農地を賃貸借する場合の期間制限 まとめ
まとめとして、ここでは、2020年4月1日より前に契約された、農地(土地)についての賃貸借契約の期間についてみてみます(建物についての賃貸借契約は、また別に条文があります。)。
農地をソーラーパネルの敷地として貸す場合には、民法の原則である最長20年が適用されていたことをご確認ください。50年ではありません。
農地を「農地として」貸す・借りるという話が、農地の賃貸借の場合(農地法第19条)という特別法による修正でした。
2020年4月1日以降に締結される、農地をソーラーパネルの敷地として貸す賃貸借契約は、民法の原則である最長50年が適用されます。
また、農地の賃貸借であっても建物を所有する目的である場合には、建物用地の賃貸借の場合(借地借家法)という特別法があります。特に普通借地権では、最「短」30年です。
なお、定期借地権というものは、その最大の特徴は、契約更新がないことです。地主が土地を貸しやすくして、用地の供給促進を図る制度です。
賃貸借契約だけでなく、それぞれの契約ごとで、その契約がどのように終わるのか?更新はあるのか?という点は、非常に重要なポイントとなります。
本文は、ここまでです。そもそも農地法における農地にあたるかという判断基準については、こちらの記事を参照ください。